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プレイステーションが失墜する日(1)スクエニ編

今回のE3でほぼSCEの据え置きハードトップ1が揺らいで来た事は間違いないので、それを確かなものであると確認するための分析を行いたいと思う。

SFC⇒N64、PSに移行する際に最もキーポイントとなったのはスクウェアとエニックスの2社だ。この2社は今では合併してスクウェアエニックスとなり当時からファイナルファンタジーとドラゴンクエストという2大RPGというブランドソフトを持っている。今回のE3でも「ファイナルファンタジーXIII」を発表している。

マスコミには「ファイナルファンタジーXIII」の発表ばかり目立っているが今回のスクウェアエニックスの本当の狙いは発表されていない。唯一Wii用ソフトでその片鱗を垣間見れたということだろう。今回「ファイナルファンタジーXIII」以外発表されたソフトとしてWii向けに「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」と「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル クリスタルベアラー」とニンテンドーDS向けに「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル リンクオブフェイト」を発表している。「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル クリスタルベアラー」と「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル リンクオブフェイト」はゲームキューブ版の正統続編として出るのはわかるが、「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」が出るのは非常に不可解である。

ちなみに、「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」は「6軸検出機能」のコントローラーを持ったPS3にも移植できるのでは?と考える方も多いがそれは間違いである。PS3のコントローラーは縦・横・高さ・極座標(θ、r、φ)のコントローラーの傾きや加速度(コントローラーの回転速度)を判定することは出来るが、3Dの空間の動き全体を判定することは出来ない。今までのゲームで言えばPS3のコントローラーは「コロコロカービィー」のようなことはできるがWiiのゲームそのままを真似する事は出来ないのである。(DQ9のことも含め、今回マスコミはこのことについてもソニーが100%真似をしたとか同じことができるとか無茶苦茶なことを書いているがそれは後々大きく取り上げたい)またPS3には振動機能も無く、コントローラーからのサウンドも無いためPS3でWiiのゲームを再現してもおもしろさはかなり損なわれるのではないか。

話を戻して、実は過去ドラクエと名の付くタイトルが携帯ゲーム機も含め勝ち組と呼ばれるハード以外で出た前例は無い。(だから「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」が「ドラゴンクエストⅨ」と間違われるのも無理は無い)ドラクエをあえて新ハード機Wiiで出す狙いは何だろうか?

スクウェアエニックスは過去2回の大きな過ちを犯している。一つは任天堂を否定しすぎたこと。もう一つはクリエイターや漫画家といった人材を他社に流失させてしまったことだ。

CD-ROMを任天堂はN64では採用しなかった。そこには任天堂のソニーに対するプライドの問題がある。CD-ROM採用すればいいじゃんと考えるかもしれないが一回ソニーと任天堂で新しいハード作ろうとしてCD-ROMでゲーム機を作ろうとしたことがあったが任天堂がソフトのロイヤリティーをソニーに奪われる懸念から話は無くなってしまった。所謂今の話に置き換えれば任天堂がフジテレビや阪神電鉄でソニーがライブドアや村上ファンドといったところか。なので任天堂はCD-ROMを採用するわけにはいかないのである。任天堂とスクウェアエニックスの確執はもうお分かりのことであるが、スクウェアがPS陣営に移行し、エニックスをPS陣営に誘い込みPS陣営で成功したからといってスクウェアは任天堂の描いてきたN64までの道筋までも否定してきた。さらにFFを中心とした開発陣、つまり坂口博信氏まわりの発言力が急進し、結果的にFFの大作主義的ソフト中心の方針に反対した今のブラウニーブラウンモノリスソフトといった人材が流失していった。そして開発費が経営を圧迫する一方でそれにとどめをさしたのが「映画ファイナルファンタジー」だ。坂口氏はこの「映画ファイナルファンタジー」でゲームの製作に手を出すこともできず、興行は大失敗した。

最初スクウェアは任天堂に助けの手を求めたが今までの確執やソフト開発の考え方の違い、さらに資金援助の条件として任天堂はプレイオンライン事業の撤退を条件とした。スクウェアには到底受け入れられない条件だった。そこでスクウェアはソニーから資金援助を受けることとなった。

一方もう一つのエニックスの方もPS陣営に移って順風満帆とは言えなかった。エニックスはソフトを自社開発しない会社だがそのせいかドラクエシリーズ以外はヒット作が出なかった。ソフト開発とは関係ないがエニックスは出版事業で失敗をしている。所謂エニックスのお家騒動 だ。エニックスの出版事業部長の保坂嘉弘氏がエニックスから独立し株式会社マッグガーデンを作り出し、「少年ガンガン」などの作家陣の作品の続編などを掲載した「月刊コミックブレイド」を創刊したことにより「ガンガンWING」などは8割がたが中途半端な連載終了を余儀なくされ、裁判沙汰となったことだ。エニックスはゲームソフト屋でありゲーム業界では作品は会社のものという考え方が普通だが、漫画作品は著者のものであるという考え方はエニックスには受け入れがたいものであったようだ。結局和解ということで決着が付いたがその後も「Gファンタジー」の一部で独立派が現れるなど「ドラクエ4コママンガ」「少年ガンガン」で築いてきた地位は人材流出という結果で崩れ去ったと言っていい。

さて今回の発表に話を戻すが、もしここでゲーム業界におけるソニーという会社の地位が低下したらどうなるだろうか。スクウェアがソニーから資金援助を受けているとしてもスクウェアエニックスで合併したことによりそのソニーとの関係は有言無実化したと言ってもいい。さらにスクウェアエニックスはやろうと思えばソニーからの資金援助を解消し、全て任天堂やマイクロソフトとプレイオンラインのような事業やソフトを開発することも検討してますよ、とそんなことを言ってるような発表だった。つまり最悪のこと(経営の圧迫、暴走、人材流出)にならないように常にいくつかの選択肢を備えていますよという発表に受け取れた。任天堂との関係も任天堂の山内博元社長直々にファンドキューにより融資されたゲームデザイナーズスタジオ(現在はタイトー)の「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル」や「ファイナルファンタジータクティクスアドバンス」以来協力関係になっている。任天堂の方もニンテンドーWi-Fiコネクションという無線(有線も可)で大体のソフトが無料で(有料課金するところもある)ネットワークで楽しめるという遊び方を打ち出している。これはどのネットワークゲームにも勝るネットワークではないだろうか。もしこれがプレイオンラインに繋がったらどうなるだろうか?

スクウェアエニックスはゲームソフトや出版以外にも携帯電話などにも事業を広めているが他にもおもしろい事業がある。例えばフレッツ光ユーザーが使うことの出来るオンデマンドTVという映像配信サービスがあるがそのレンタルすることの出来るSTBはスクウェアエニックスの子会社がソフト開発を担当している。またスクウェアエニックスは松下電器とも提携している。それはTナビに自社開発のコンテンツを配信するためである。Tナビって何?と思う人もいるかもしれないが家にデジタルチューナー付のテレビを持っていて、それがパナソニックのOEMでブロードバンドインターネット接続環境のある人ならばTナビのサービスを受けることが出来る。デジタルチューナーは大体がパナソニックのOEMが多いのでいまひとつ盛り上がりは無いがかなりの人にTナビは普及している。つまり将来的にテレビから見ることの出来るⅰモードのようなポータルサイトに成長する可能性もあるわけだ。スクウェアエニックスは今のうちからデジタル家電の分野にも進出しようということなのだ。

スクウェアエニックスは最悪のことを常に考え事業を今までとは違った意味で合理的に拡大し続けて言っている。今回のE3でもその片鱗を見ることが出来たのではないだろうか。

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